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バスバーとは何か?

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バスバーとは何か?

第1回 バスバーとは?

前回まで工場紹介をおこないました。
今回から技術コラムとして弊社のめっき技術が活用されているキーデバイスをご紹介します!

■バスバーの特徴と役割

バスバーとは、主に電力システムにおいて電力を効率的に分配するための導電部材として機能します。
導体として使用される金属(一般的に銅やアルミニウム)が、電流の損失を最小限に抑えながら大電流を流せるように設計されています。
そのため、電力が多く必要とされる産業や、電力供給の効率性が求められる場所での利用が増加しています。具体的には、バスバーは以下のような特徴と役割を持っています。

1.電力の効率的な伝送

バスバーは、電気を供給するための「道」として、機能し、大電流を低抵抗で流すことができます。
そのため、エネルギーロスを抑えながら効率的な電力供給を実現します。電線と異なり、平坦で広い接触面を持つため熱や電力損出が少なく、より多くの電力を供給することが可能です。これにより、電力機器や設備全体のエネルギー効率が向上します。

2.空間(スペース)効率の向上

バスバーは、複数のケーブルを用いる場合に比べて、システムの配線を簡素化し、設置スペースを節約できます。
例えば、通常のケーブルを用いると、多くの配線が必要となり、スペースの確保が難しい場合がありますが、バスバーでは1本で大電流を供給できるため、設置スペースを削減できるという利点があります。

3.信頼性の向上

バスバーは、ケーブルに比べて接続部分が少なく、接続不良や過熱のリスクが低減します。
これにより、システム全体の信頼性が向上し、特に長期的な運用が求めらる電力システムで優れた安定性を発揮します。例えば、電力供給設備や昨今年における「車の電動化」において、信頼性の高いバスバー導入で、ダウンタイムの減少や、今後電気自動車などの急速充電化に伴う熱対策に寄与します。

4.部品組み立て工程の自動化

ケーブルの場合は、その柔軟性からロボットでの組み立てが困難であり手作業で行っている状況です。
一方で、バスバーは板状であり表面が平らであることから、ロボットアームでも部品を掴むことが可能となり、精度よく所定の位置に組み付けることが出来ます。これにより部品組み立て工程の自動化を進めることができ人件費の削減、品質の安定に寄与します。

■バスバーの種類とその選び方

バスバーの材質には、主に銅とアルミニウムが使われていますが、それぞれの材質には特徴があり、用途によって選定が異なります。
まず、銅とアルミニウムの違いを理解するために、導電性、耐久性、重量、コストなどの観点から詳しくみていきましょう。

1.銅(Copper)

銅は、その高い導電性が最も注目される特性です。他の金属と比べて非常に低い抵抗率を持っており、大電流を流しても電力損出が少ないため、効率的な電力伝送を可能にします。
また、熱伝導率も高く、熱管理が重要な高電力システムにおいてもその能力を発揮します。
耐久性の面でも非常に優れており、酸化しにくく腐食に強いため、長時間の使用でも安定した性能を保つことができます。しかしながら、銅にはいくつかのデメリットもあります。
まず、重量が重いため、設置場所や運搬にコストがかかりやすいとい点があります。また、市場価格が変動しやすく、資源として希少性があるため、コストが高くなる傾向があります。
そのため、銅は高性能が求められる電力設備や長期的に使用される設備に適してます。

2.アルミニウム(Aluminum)

アルミニウムは、銅に比べて軽量であるという点が大きな特徴です。
特に昨今年における「車の電動化」に伴う車載用電池向けバスバーでは、車の燃費や電費に部材重量が直結するためアルミ製バスバーの使用が効果的です。
また、コスト面でのメリットも大きく、銅に比べて安価で入手できるため、素材自体のコスト削減にも寄与します。また、市場価格が銅と比べ安定しており、資源としても豊富にあることから将来的な供給安定性の面においても寄与します。
しかしながら、アルミニウムは銅に比べると導電性が劣るため、同じ電力を流すためには、アルミニウムバスバーの断面積を大きくする必要があります。
また、アルミニウムは酸化しやすいというデメリットがあり、腐食に対する耐久性が銅に比べて低下します。
これを補うためにニッケルや錫などのめっき処理を施したり、絶縁処理を強化することで耐久性を向上させる対策が必要となります。

■選定のポイント

バスバーを選定する際には、まず導電性や耐久性を重視するか、それともコストや重量を優先するかを検討する必要があります。
たとえば、高性能が求められる電力システムや、長期的な安定性が重要な施設では、銅製バスバーが適しています。一方で、軽量化や素材のコスト削減・供給安定面を重要視するのでればアルミ製バスバーが選ばれるケースが多いです。
使用する環境や電力に応じて、最適な材質を選定することが成功の鍵となります。

■まとめ

バスバーは、電力の効率的な分配に不可欠な導電部材で、電力システムの省エネルギーとコスト削減に大いに寄与します。
材質としては銅とアルミニウムが一般的で、それぞれにメリット・デメリットがあります。導入にあたっては、使用環境や設置スペースを十分に考慮する必要があります。
ニシハラ理工では、「アルミニウム条材へのニッケル、錫の連続めっき加工」を「10年以上前」から手掛けており車載向けバスバー用途にも多くの量産実績があります。
アルミニウム素材の軽量な面を活かしつつ、ニッケルや錫めっきを施すことによって、「低接触抵抗」、「半田付け性」、「耐食性の向上」、「溶接時の信頼性向上」などのアルミウム素材には無い機能性を付与しております。
バスバーへのめっきはこちら!

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