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めっきの手法はどんなものがあるの?

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めっきの手法はどんなものがあるの?

スマホやPC、アクセサリーや建築物など、めっきは思っている以上に私たちの身近にあるもの。
そんな「めっき」の基礎知識をニシハラ理工がご紹介致します!


どうやって「めっき」するの?

“めっき”とは表面処理技術であり、素材に対して様々な金属皮膜を被覆する技術になります。
“めっき”と一言で言われることが多いのですが、金属皮膜を被覆していく手法として様々な方法があります。

めっきの手法は大きく分けて2つあります。

・湿式めっき
・乾式めっき


1.湿式めっき
ウェットプロセスとも呼ばれ、水溶液中での酸化・還元反応を利用しためっき手法になります。

1-1 電気めっき
 読んで字のごとく、電気を使用してめっきを行う手法です。電気の力で酸化還元反応を発生させてめっきを行います。

  メリット =電気を使用することで膜厚のコントロールが容易。安価に加工できる。
  デメリット=電気を使用しているので対象物が通電できるものになる。めっき膜厚のバラツキがでる。

表1-1.電気めっきの主な分類

めっき手法

内容

引っかけめっき

めっきをする対象物を、冶具へひっかけてめっき処理液へ入れて、加工する手法。
対象物は部品形状になり、ある程度の大きさがあるもの。

バレルめっき

めっきする対象物を入れたバレルをめっき処理液へ入れ、バレルを回転させながら加工する手法。
対象物は部品形状になり、小さい物が多い。

連続めっき

ワイヤーやフープ材と呼ばれる金属条へめっきをしていく手法。低コストで大量にめっきをすることが可能。
フープ材へのめっきは、ニシハラ理工が得意としている手法。
 ⇒詳しくはニシハラ理工ホームページの「フープめっき」参照。

ブラッシュめっき

筆めっきとも呼ばれる。筆とめっき対象を通電させ筆にめっき処理液を含ませることで、筆で対象物へ触れた部分にめっきをする手法。



1-2 無電解めっき
 こちらは電気を使用しないめっき手法となります。主に化学反応を利用することでめっきを析出させる方法です。

  メリット =通電しない対象物でもめっきができる。めっきが均一に析出できる。
  デメリット=厚いめっきが難しい。めっき析出のスピードが遅い。


表1-2.無電気めっきの主な分類

めっき手法

内容

置換めっき

めっき対象物の金属が、溶解してイオン化した際に発生する電子をめっきイオンがもらうことでめっきが析出する手法。
アルミ材へめっきする際、"ジンケート処理"と呼ばれる前処理を行うが、これはアルミを溶解させ、その電子で亜鉛を析出する方法である。
詳しくはニシハラ理工ホームページ「アルミ材へのめっき」参照。

化学還元めっき

化学還元剤を用いることで、めっきの対象物が金属でなくでも
めっき処理液の中で、電子のやり取りを発生させ対象物へめっきをする手法。



2.乾式めっき
こちらはドライプロセスと呼ばれます。水溶液を使用せずに、素材とめっきしたい金属を高真空下でめっきを行う手法になります。

  メリット =通電しない対象物でもめっきができる。めっきできる金属が多い。
  デメリット=厚いめっきが難しい。めっき析出のスピードが遅い。加工費が高価。


表2.湿式めっきの主な分類

めっき手法

内容

真空蒸着

真空にした容器内で、めっきしたい金属を加熱、蒸発させたものを、めっきをする対象物へ接触させ、めっきを析出する手法。

イオンプレーティング

高真空にした容器内にガスプラズマと呼ばれるイオンと電子を分離したガスを発生させ、めっきしたい金属に電子ビームを照射させることでめっきをする対象物へめっきを生出する手法。

スパッタリング

高真空にアルゴンなどの不活性ガスを注入し、めっきをする対象物と被膜となる金属の間に直流高電圧を加えることで、めっきを析出させる手法。



これまでの手法を図にまとめてみましょう。



いかがでしたか?
一言で、めっきと言っても様々な手法があることが分かって頂けたのではないでしょうか。

ニシハラ理工のめっき技術に関して詳しくはニシハラ理工ホームページをご覧ください。


ニシハラ理工ではお客様のご要望に合わせためっき仕様のご提案・技術開発を行っております。
ご質問などありましたらお気軽にお問い合わせ頂きますよう宜しくお願い致します。


参考文献
絵とき「めっき」基礎のきそ(プレーティング研究会)日刊工業新聞社
新めっき技術(関東学院大学出版界)丸善出版株式会社

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