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仕上めっき

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仕上めっき

前回までの記事で、いかに下地作りが大切かお分かり頂けたと思います。

 

第5回 仕上めっき:錫めっき(Snめっき)

 

下地を作り、いよいよ仕上げに入ります。
女性の方はご存じかと思いますが、マット仕上げ・ツヤ肌仕上げなど、どのような仕上がりにしたいかによりファンデーションも変わります。

めっきの仕上げでも、その後に何に使用したいか、どんな特性を必要としているかで仕上に使うめっきも変わってきます。
今回は錫めっきをご紹介します!


錫めっき(Snめっき)

錫は融点(232℃)が非常に低い事で、精錬や加工がしやすく、この特徴は錫単独または他の金属との合金ではんだ付けに適しています。錫年間使用量の45%ははんだ用途が占めています。
弊社の錫めっきも、電子部品等で、はんだ付けを必要とする製品に使用して頂いています。
錫めっきは銀白色の美しい色調を持つ上に、耐食性に優れ、かつ毒性がないので、食器の表面処理にも適しています。例として、缶詰のような密閉容器の中では錫めっきは鉄に対してアノードとして働き、鉄を犠牲防食する性質があり、かつ溶解した錫は無害なので、錫めっきは缶材料としても使用されています。
素晴らしい特性を持った錫ですが、めっきをするとウィスカ発生という問題があります。ウィスカは錫めっき表面から成長する針状やノジュール(こぶのような塊)の単結晶で、電子部品では回路の短絡の原因になります。
ウィスカがはんだをした部品と部品の電子回路間に発生した場合、短絡によって機器を誤作動させる恐れがあり、電子部品・半導体業界では問題視されています。

 弊社でのウィスカ対策

・硫酸浴からの錫めっき
 硫酸錫浴からは粗雑なめっきしかできませんが、複数の添加剤を加えることによって、緻密で平滑な
 錫めっきが可能になります。酸性錫めっき浴では添加剤は必須の成分ですが、錫めっきに不純物が共
 析すると、はんだ付け性が低下します。

・メタンスルフォン酸浴からの錫めっき
 硫酸錫浴に比べて高価ですが、金属の溶解度が高いので高濃度溶液が可能なこと、Sn2+のSn4+への
 酸化が起こりにくいことなどの特徴があります。液中の錫濃度を高くできるため、高電流密度での
 めっき加工が可能となり、フープ材へのめっき加工に適しています。

 ニシハラ理工では、こちらを採用しています。

 弊社でのフープめっき

・アルカリ性浴からの錫めっき
 4価の錫→錫酸ナトリウムまたは錫→錫酸カリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを主成分と
 するめっき浴です。均一電着性に優れ、めっき膜も柔軟性が良いため、折り曲げを行う製品などに適し
 ています。電流効率が悪い欠点があります。

・中性(弱酸性~弱アルカリ性)浴からの錫めっき
 強酸や強アルカリ性のめっき液が多い中、そういったものに侵されやすい部材と一体になったものに
 は、中性に近いめっき液で加工されます。ただ、光沢色調を出すことができない、高電流密度での
 めっき加工ができないなどのデメリットがあります。

・鉛フリー錫合金めっき
 RoHS指令の施行から、2006年7月より、鉛を使用した錫めっきが規制対象となり、代替めっきとして、
 様々な合金めっきが開発されました。

 ①錫-銀合金めっき(3~4% Ag)
  Ag含有率3.5%で221℃の共晶温度を示します。ウィスカに対する抑制があります。
  効果が高く、接合強度、疲労特性にもすぐれているので、車載部品、携帯電子部品、高信頼性部品へ
  の適用が検討されています。めっき浴としてはメタンスルフォン酸浴、弱酸性錯塩浴があります。
 
 
②錫-ビスマス合金めっき(2~5% Bi)
  2~5%Biの合金めっきが使用されます。5%Bi合金の融点は223℃です。
  ウィスカに対する抑制効果が高いので半導体パッケージの外装端子めっきに使用されています。
 
 
③錫-銅合金めっき(0.7% Cu)
  Cu0.75%のとき融点227℃の共晶合金をつくります。皮膜の折り曲げ性などの機械的特性が良好で、材
  料費も他の合金に比べて安いこと、光沢めっきが得られやすいことなどから鉛フリー合金の中では最
  も採用例が多いめっきとなります。

以上が錫めっき仕上げになりますが、使用用途により仕上げめっきは変わってきます。
 

弊社では、最終製品に至るまでの各プロセスで想定されるめっきに関連する問題を回避するため、要求事
項の整理から最適なめっき仕様の提案、被膜の試作及び工程の評価、量産設備・管理システムの構築、
量産加工、アフターフォローに至るまで、弊社スタッフが承ります。

めっきでのお困り事はぜひ弊社までお問合せ下さい!

お問合せはこちらまで


参考文献
絵とき「めっき」基礎のきそ(プレーティング研究会)日刊工業新聞社
新めっき技術(関東学院大学出版界)丸善出版株式会社

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