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銅箔とアルミ箔の違い|正極・負極での使い分け

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銅箔とアルミ箔の違い|正極・負極での使い分け

前回は、電池の中で電極材料から電流を集める「集電体」について、集電体の役割や、金属箔が使われる理由をご紹介しました。
では、同じ電池の中で使われる集電体なのに、なぜ正極にはアルミ箔、負極には銅箔が使われるのでしょうか。
これは、単に「銅は電気を通しやすいから」「アルミは軽いから」という理由だけではありません。電池の中では、正極と負極で置かれている環境が異なり、それぞれの電極材料との組み合わせや、電池としての安定性などを考えて集電体の材料が選ばれています。また、電池の種類が変われば、集電体に使われる材料の組み合わせが変わる場合もあります。
今回は、銅箔とアルミ箔の特徴を比較しながら、なぜ正極と負極で材料を使い分けるのかを見ていきます。


目次

なぜ正極と負極で金属箔を使い分けるの?

電気を流す材料なら、導電性の高い銅を使えばよいようにも思えます。では、なぜリチウムイオン電池では、正極の集電体にアルミ箔、負極の集電体に銅箔が使われているのでしょうか。
そのポイントの一つが、正極と負極で電池の中に置かれている環境が異なることです。
集電体は、電極材料と接して電流を集める部材です。充放電ではリチウムイオンが正極と負極の間を移動しますが、正極と負極では異なる電位条件になります。集電体にも、それぞれの環境で安定して使用できることが求められます。
集電体の材料を選ぶときは、電気を通しやすいかどうかだけでなく、使用する電極材料や電位、温度などの条件も確認する必要があります。
リチウムイオン電池でアルミ箔と銅箔が使い分けられているのは、正極と負極で求められる条件が異なるからです。

銅箔とアルミ箔には、それぞれどんな特徴がある?

銅箔とアルミ箔は、どちらも電気を流す金属箔ですが、材料としての特徴は異なります。
代表的な特徴を比較すると、次のようになります。

  アルミ
電気伝導性 高い 銅より低い
密度 高い 低い
軽量性
箔への加工 可能 可能
主な特徴 電導性 軽量性

このように、銅とアルミニウムにはそれぞれ異なる特徴があります。

銅は導電性が高く、アルミニウムは銅より密度が低いため、軽量化につなげやすいという特徴があります。どちらも薄い箔に加工できることから、電池の集電体をはじめ、電気を流すさまざまな部材に利用されています。ただし、材料の特徴だけを見て「銅の方が優れている」「軽いからアルミが適している」と判断できるわけではありません。
必要な導電性、重量、強度、加工性、厚み、使用環境、接続方法など、実際の用途で何が求められるのかによって、適した材料は変わります。
銅とアルミのどちらを選ぶかではなく、その用途にどのような性能が必要なのか。そこから材料を考えることが大切です。

「正極=アルミ、負極=銅」とは限らない

ここまで、リチウムイオン電池では一般的に正極の集電体にアルミ箔、負極の集電体に銅箔が使われることを見てきました。
ですが、「正極ならアルミ、負極なら銅」と、集電体の材料が一律に決まっているわけではありません。例えば、ナトリウムイオン電池では、電池の構成によって正極・負極の両方にアルミ箔を集電体として使用できる場合があります。これは、電池の種類が変わると、使用する電極材料や電気化学的な条件も変わるためです。集電体に求められる条件も変わるため、材料の組み合わせも変わる場合があります。
集電体の材料を考えるときは、「正極か負極か」だけを見るのではなく、どのような電極材料を使用するのか、どのような環境で使用するのか、どのような性能が必要なのを確認することが大切です。
同じ金属箔でも、使われる場所や条件が変われば、適した材料も変わります。

金属箔を選ぶときは、材料だけでなく用途を見る

金属箔を部材として検討するときには、材料の特徴だけでなく、その箔をどこで、どのように使うのかを考えることが大切です。
例えば、同じ金属箔でも、電池の集電体として使う場合と、電源関連部品や電子部品などで使う場合では、求められる条件が異なることがあります。軽量化を重視するのか、電気を効率よく流すことを重視するのか。薄さを優先するのか、加工時の扱いやすさを重視するのか。
また、箔を他の部材と接続する場合には、接続方法や接触する材料、使用する環境についても考える必要があります。
そのため、金属箔の材料選定では、「銅かアルミか」という二択だけで考えるのではなく、「この用途では、どのような金属箔が適しているのか」というところから条件を整理すると、材料選びを進めやすくなります。
材料の段階で用途に必要な条件を整理しておけば、その後の加工や接続について検討するときにも、確認すべきポイントを絞りやすくなります。

金属箔は電池以外の用途にも

銅箔やアルミ箔は、電池の集電体として知られていますが、金属箔が使われる用途は電池だけではありません。電源関連部品や電子部品など、電気を流す必要があるさまざまな部品で、薄い金属材料が利用されています。
用途が変われば、求められる性能も変わります。
だからこそ、すでに使われている用途だけを見るのではなく、「この部品を薄い金属箔で作ることはできないか」と考えてみることも、材料選定の一つの方法です。
金属箔は、薄さや導電性、軽量性などの特徴を持つ一方、加工や接続など、実際に部品として使う段階で確認したい条件もあります。
材料の特徴と使用条件を組み合わせて考えることで、既存の用途だけではなく、新しい使い方につながる可能性もあります。

金属箔を使うときに、次に考えたいこと

銅箔とアルミ箔は、それぞれ異なる特徴を持っています。
リチウムイオン電池では、一般的に正極にアルミ箔、負極に銅箔が使われていますが、電池の種類や構成によっては異なる組み合わせもあります。金属箔を選ぶときに大切なのは、「銅かアルミか」を先に決めることではありません。
使用する場所や環境、必要な性能、加工方法、そして他の部材との接続方法まで含めて条件を整理することで、その用途に適した金属箔を検討しやすくなります。
金属箔を使ってみたいけれど、どの材料が適しているのか分からない。薄い金属材料を使いたいが、加工や接続まで考えると何を確認すればよいのか分からない。そうした場合には、材料の段階から条件を整理しておくことが、後の工程でのトラブルを減らすことにもつながります。

次回は、金属箔を他の部材と接続するときにも関係する「接触抵抗」に注目します。

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