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電池に使われる材料とは?性能を支えるさまざまな部材

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電池に使われる材料とは?性能を支えるさまざまな部材

EV(電気自動車)やスマートフォン、ノートパソコンなど、私たちの身の回りには多くのリチウムイオン電池が使われています。
近年は全固体電池や次世代電池の開発も活発に行われており、「正極材」「負極材」といった言葉を耳にする機会も増えました。
しかし、電池は一つの材料だけで構成されているわけではありません。
実際には、それぞれ異なる役割を持つ複数の部材が組み合わさることで、現在の高性能な電池が実現されています。
今回は、リチウムイオン電池に使われている材料と、その役割について整理してみたいと思います。

目次

電池はさまざまな材料によって成り立っている

リチウムイオン電池というと、正極材や負極材に注目が集まることが多くあります。実際にこれらは電池性能を左右する重要な材料ですが、それだけで電池が成立するわけではありません。電池内部には、電気を蓄える材料、イオンを移動させる材料、電気を取り出すための部材など、それぞれ異なる役割を持つ材料が使用されています。
代表的な構成部材は以下のとおりです。

電池_6.23.png

・正極
・負極
・セパレータ
電解液
集電体

普段は目にすることのない部材ばかりですが、どれか一つが欠けても電池として機能しません。
まずは、それぞれの役割を見ていきましょう。

正極 ― 電池性能を左右する重要材料

正極は、リチウムイオンを受け入れたり放出したりする役割を持つ電極です。

現在のリチウムイオン電池では、

・NMC(ニッケル・マンガン・コバルト系)
NCA(ニッケル・コバルト・アルミニウム系)
LFP(リン酸鉄リチウム系)

などの材料が広く使用されています。

正極材料は、電池の容量や出力、寿命、安全性などに大きな影響を与えるため、電池メーカー各社が研究開発を進めている分野でもあります。EVの航続距離向上や急速充電性能の向上など、ニュースで話題になる次世代電池技術の多くは、こうした正極材料の改良と深く関わっています。

負極 ― 電気を蓄える役割を担う

負極も、正極と同様にリチウムイオンを受け入れたり放出したりする役割を持っています。
一般的には黒鉛(グラファイト)が使用されていますが、近年ではさらに高容量化を目指し、シリコン系材料などの開発も進められています。電池の高容量化が求められる背景には、EVの航続距離向上やモバイル機器の長時間駆動があります。
正極材料ほど話題になることは多くありませんが、負極材料も電池性能を支える重要な要素の一つです。

セパレータ ― 安全性を支える薄い膜

セパレータは、正極と負極の間に配置される絶縁膜です。もし正極と負極が直接接触すると短絡(ショート)が発生し、発熱や故障の原因となります。セパレータは両者を物理的に隔てながら、リチウムイオンだけを通過させる役割を担っています。普段目立つ部材ではありませんが、安全性を支える非常に重要な存在です。
EVや蓄電池の普及が進む中で、セパレータにも高い耐熱性や信頼性が求められるようになっています。

電解液 ― イオンの通り道

電解液は、正極と負極の間をリチウムイオンが移動するための媒体です。充電時にはリチウムイオンが負極側へ移動し、放電時には正極側へ戻ります。この移動がスムーズに行われることで、電池は安定して機能します。
近年注目されている全固体電池も、この電解液を固体材料へ置き換えることで、安全性やエネルギー密度の向上を目指した技術として期待されています。

集電体 ― 発生した電気を外部へ取り出す重要部材

正極材や負極材に比べると、一般的にはあまり知られていない部材が集電体です。しかし、電池として機能するためには欠かせない存在です。
正極や負極で発生した電気も、効率よく集めて外部回路へ流さなければ利用することはできません。その役割を担っているのが集電体です。近年はEVの高出力化や急速充電への要求が高まり、電池内部を流れる電流も増加しています。そのため、集電体にも低抵抗化や軽量化、高い信頼性などが求められるようになっています。
正極材や負極材ほど注目されることはありませんが、電池性能を支える重要部材の一つといえるでしょう。

集電体には銅箔やアルミ箔が使われている

集電体には主に銅箔やアルミ箔といった薄い金属材料が使用されています。
一般的には、次のように使い分けがされています。

負極側:銅箔
正極側:アルミ箔

これらは高い導電性を持ちながら、非常に薄く加工できることが特徴です。電池の軽量化や高容量化が進む中で、金属箔の重要性も高まっています。
普段私たちが目にすることはありませんが、EVやスマートフォンに使われる電池の内部では、こうした金属箔が重要な役割を担っています

金属箔は電池以外にも活用されている

集電体に使用される銅箔やアルミ箔などの金属箔は、電池用途だけに使用されているわけではありません。

例えば、次のような分野でも活用されています。

電子部品
半導体関連部材
通信機器
シールド材
車載部品

金属箔には、次のような特徴があります。

薄い
軽い
電気を流す
熱を伝える
加工しやすい

そのため、小型化や軽量化、高機能化が求められる製品では欠かせない材料となっています。また近年では、従来とは異なる用途で金属箔を活用する検討も進められています。
開発現場では「この用途には難しいだろう」と考えられていた製品でも、材料技術や表面処理技術の進歩によって実用化されるケースがあります。金属箔は単なる薄い金属ではなく、製品性能を支える機能材料として活躍しているのです。電池用途で使用される集電体も、そうした活用例の一つです。
一見すると目立たない材料ですが、私たちの身近な製品から最先端技術まで、幅広い分野を支えています。

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