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接触抵抗はなぜ問題になる?金属箔を接続するときに考えること

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接触抵抗はなぜ問題になる?金属箔を接続するときに考えること

金属箔は、電池の集電箔をはじめ、電気を流すための材料として使われています。これまでの記事では、電池に使われる材料や集電体の役割、銅箔とアルミ箔の違いについて見てきました。
金属箔を実際の部品や回路に組み込む場合、箔そのものの電気的な特性だけでなく、他の部材と接続する部分の状態も重要になります。
たとえば、金属箔そのものは十分に電気を通していても、接続部分で電気が流れにくくなることがあります。
その原因の一つが、接触抵抗です。
接触抵抗が大きくなると、接続部分で電圧降下や発熱が生じることがあります。特に、長期間にわたって安定した導通が求められる用途では、接続部分の接触抵抗をどのように維持するかが重要になります。

目次

接触抵抗とは?

接触抵抗とは、2つの導体が接触している部分で生じる電気抵抗です。
金属同士を押し付ければ、接触した面全体に電流が流れるように感じます。ところが、実際の金属表面には目には見えない細かな凹凸があります。そのため、2つの金属を重ねても、表面同士が全面で密着するわけではありません。実際に接触して電流が流れるのは、表面の凸部など、ごく限られた部分です。この「実際に電流が通る接触状態」が、接触抵抗に関係します。
接触抵抗を左右する要素には、接触面積、接触荷重、表面状態などがあります。たとえば、接触する部分をしっかり押し付けることで、実際の接触状態が変わり、接触抵抗にも影響します。ここで重要なのは、「電気をよく通す材料を使えば、接続部分も問題ない」とは限らないということです。材料そのものの電気抵抗が低くても、接続部分で十分に電流が流れなければ、そこで電気的なロスや発熱につながることがあります。
金属箔を使う場合も同じです。箔そのものの材質だけでなく、どのような状態で他の部材と接触しているか。そこまで含めて考える必要があります。

接触抵抗が大きくなると何が起こる?

接触抵抗が大きいと、接続部分で電気が流れにくくなります。特に電流値が大きい場合は、接触抵抗によって接続部分で発熱が生じることがあります。電気信号を扱う場合には、接触抵抗の変化が信号の伝わり方に影響することもあります。さらに気をつけたいのが、接触抵抗は、使用を始めた時点の状態だけで決まるものではないということです。
使用環境によって金属表面の状態や接触状態が変化すれば、接触抵抗も変わる可能性があります。
例えば、金属表面の酸化や腐食によって接触状態が変化することがあります。また、振動などによって接触面が繰り返し微小に動くことで、表面の状態が変化し、接触抵抗が上昇する場合もあります。だからこそ、接触抵抗を見るときには、「最初にどれだけ低いか」だけではなく、「使用中も安定して低い状態を保てるか」という視点が重要になります。

金属箔を接続するときに考えたいこと

金属箔を実際の部品や回路に組み込む場合には、こうした接触抵抗の考え方を、実際の接続方法に当てはめて考える必要があります。ここでは、接触する面積、接触する力、表面の状態の3つから見ていきます。

接触する面積
接触抵抗を考えるうえでは、金属同士が実際に接触している面積が関係します。
金属箔は薄く柔軟な材料であるため、用途によっては、どの部分を、どのように他の部材と接触させるかによって、実際の接触状態が変わります。見かけ上の接触面積が同じでも、実際に金属同士が接触している状態が異なれば、接触抵抗にも影響します。

接触する力
金属同士を接触させる場合は、接触する力も重要になります。
金属表面には細かな凹凸があるため、接触する力が変わると、表面同士の接触状態も変化します。そのため、金属箔を接続する場合には、どの程度の力で接触させるのかという点も、接触抵抗を考えるうえで関係してきます。

表面の状態
もう一つ考えておきたいのが、接触する表面の状態です。
金属の表面には、目には見えない細かな凹凸があります。2つの金属を重ねても、表面全体が均一に接触するわけではありません。さらに、表面の状態は使用する材料や環境によっても変化します。表面に酸化などの変化が生じれば、接触部分の状態も変わる可能性があります。
そのため、金属箔を他の部材と接続する場合は、箔の材質だけでなく、接続する表面をどのような状態にしておくかまで考えることが重要です。

接触する面積や力だけでなく、表面の状態も含めて接続部分を考えることで、使用中の接触抵抗を安定させることにつながります。

表面処理で接続部分の性能を考える

ここまで見てきたように、金属箔の接続部分では、接触面積や接触荷重だけでなく、表面の状態も接触抵抗に関係します。
金属箔を実際の部品や回路で使用する場合には、こうした接続部分の表面をどのような状態にするかも考える必要があります。
そこで関係してくるのが、表面処理です。めっきによって表面に別の金属層を形成することで、母材とは異なる表面特性を持たせることができます。また、表面の状態を調整する方法として、表面粗化が用いられることもあります。
接点や端子では、酸化や腐食による接触抵抗の上昇を抑える目的などで、めっきが利用されています。
接触抵抗に関係するめっきでは、電気的な特性だけでなく、用途に応じて次のような性能も求められます。

・酸化や腐食への耐性
・接触時の摩耗への耐性
・接触状態の安定性
・使用環境への適合性

実際に、錫めっきや銀めっきの電気接点についても、接触荷重や接触面積、表面状態と接触抵抗との関係が調べられています。

金属箔は「何に使うか」で必要な性能が変わる

金属箔を使う場合、「銅箔だから」「アルミ箔だから」という材料の違いだけでなく、その箔をどこで、どのように使うのかを考えることが重要です。
電池の集電箔として使う場合と、別の部材と接続して電気を流す材料として使う場合では、必要となる性能や表面状態への要求が変わる可能性があります。
特に接続部分では、金属箔そのものの特性だけでなく、どのような用途で、どのような条件で使用するかによって、求められる性能も変わります。

・どのように接続するか
・どの程度の電流を流すか
・どのような環境で使用するか
・長期間使用したときに表面状態がどう変化するか

こうした条件を踏まえて、金属箔の材質や厚さだけでなく、必要に応じて表面処理も含めて検討することが重要です。
金属箔を使いたいけれど、接続部分の接触抵抗や表面状態についても検討したい。そのような場合は、箔の材質や厚み、接続方法、使用環境、必要な性能などを整理したうえで、めっきによる表面処理をご検討ください。

ニシハラ理工では、金属箔へのめっきについて、用途や要求される性能に合わせたご相談を承っています。

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